先輩インタビュー
その人に合ったサービスを提供して、楽しんでいただけるような環境を創出したい
デイサービスセンター「ぐっどういる境南」
介護職員 熊坂博子
2007年 | 高齢者介護の仕事をはじめる |
2018年 | 社会福祉法人とらいふ入職 |
介護職員としてぐっどういる境南に勤務したいと思った動機/きっかけを教えてください
元々、前任の施設長と知り合いで、一緒に働いていたわけではないのですが、「一緒に働かない?」と声をかけていただいたことがあり、その時のタイミングではなかったのですが、その前に一度、「阿波踊り」を趣味でやっていて、ボランティアとしてぐっどういるを訪問したことがあり、職員さんや利用者さんたちの雰囲気をみて、楽しそうだなあと思っていて、そのことを前施設長にお伝えしたところ、一緒に働きましょうとお誘いを頂きました。
お子様がいらっしゃるとのことですが、家庭と仕事との両立という点で難しさは感じますか?
今年で介護職歴は15年になりますが、上の子が幼稚園、下の子が保育園に通っているときから勤続をしているので、特に影響はありません。
ぐっどういる境南以外での介護のご経験はありますか?
最初は認知症専門のデイサービス、その次は一般的なデイサービスで勤務しましたが、ぐっどういると比べると小規模な、利用者様が10人前後の事業所でした。
ぐっどういるでは4年目になります。
他の事業所と比較したときのぐっどういる境南の特徴を教えていただけますか?
良い面としては、職員の役割がしっかりと決まっているので、業務が重複したり煩雑になったりすることが少ない。
送迎担当者は送迎を、入浴介助者は入浴を、といった具合に、役割が明確なので、準備にも注力する事ができます。
よくある人員不足の事業所の「送迎から戻ってきたら入浴をして、体操をして、、、」といったような、体力的にきついなと感じる部分も少ないです。
あとは、職員同士が主体的で、誰かが「来月は〇〇をやりたいのだけれど、どうしたらよいだろう」と発言すると、周囲でそれを聞いていた他の職員が案を出してくれたり、「こうしたら良いと思う」「こことここは利用者さんにやって頂こう」といったアドバイスをいただく事ができるところが良い点です。
そういう話し合いをする会議のようなものがあるのですか?
いいえ、会議という形ではありません。
「もうすぐ春になるから、〇〇をやってみようか」とか「この間YouTubeで〇〇を観て、それを〇〇に生かせないかと思ったのだけれど」といった日常の雑談の中からアイデアを共有しています。
ですが、そういったアイデアを形にしようとすればするほど仕事が増えていって、しかし給料が増額されるわけではない、それじゃあやってられないよ、という声は上がらないのでしょうか
風土として、職員の皆さんがそういったことが好きなのだと思います。
何かを作ったり、おもてなしをして喜んでいただいたりといったことが好きで、各職員が利用者さんたちの「できること」に注目して、ここまでできるのであれば、これをしてみていただくのはどうだろうか、といった知恵を出し合って、それを実践していき、本人も支援者側も満足のいく時間を共有させていただいています。
職員間の人間関係はどうでしょうか
昼休みに同僚たちと食事を共にしています。
コロナ禍で、退勤後にみんなで食事に行ったりすることはできませんが、近所にとても美味しい魚屋さんがあって、「今日は〇〇丼だってよ」「じゃあ買おう!」といった会話になり、皆で同じものを食べたりしながら時間を共有しています。
働いていて、大変なところ、辛いところはありますか?
無理難題を要求されることはないので、あまり大変だと思うことはありません。
認知症の人のケアをしていて、いわゆる「指示が入らない」といったケースの対応をするとき、ストレスを感じたりしませんか?
そういった「困ったなぁ。。」と思うような場面になった時は、私は周囲に相談をします。
とは言え、人の感情が交差する問題など、どうしようもないよなぁ、答えはないよなぁといった問題も節々で発生します。
そのような、現場の職員同士でどうにもならない時は、相談員や施設長に相談をします。
解決してほしいというわけではなく、知っておいてほしい、という感覚です。
「施設長が知っていてくれている」という安心感を得られます。
熊坂さんは、ぐっどういる境南(デイサービス)と、とらいふ武蔵野(特養・ショートステイ)の2つの施設を横断的に勤務されていますが、不便ではありませんか?
デイサービスを利用されている方がショートステイを利用されたりするので、そういった点ではケアに継続性を見出せるので働きがいがあります。
職員さんたちも、分け隔てなく、と言うか、私のことを「〇〇所属の職員さん」といったことなく受け入れてくれているので、働きやすいです。
とらいふ武蔵野の職員さんたちは、常にテキパキと動いていて忙しそうですので、少しでも自分が役に立つ事ができればという想いでいます。
入職前と後で、ぐっどういる境南に対するイメージに変化はありましたか?
入職前は「大きな事業所だな〜」「どういう活動をしているのかな〜」といった程度で、災害用の備蓄用品の整理整頓など、片付けをもっとしたいと思っていますが、ついつい後回しにしてしまっています。
地域住民の方々に対して、ぐっどういる境南をどのように認知していただきたいですか?
「ご家族のために利用する」「同居人のレスパイト(介護休暇)目的で利用する」というのではなくて、利用者ご本人がぐっどういるに来て、「あ〜、楽しかった!」と思っていただける場所でありたいです。
「家族が助かっています」というお声をいただことも嬉しいですが、私の気持ちとしては、地域の高齢者の方々が散歩のときなどに窓越しから私たちの姿を眺めた時に、「あ、なんだか楽しそうだなあ」「ちょっと行ってみたいなあ」と思っていただけるようなデイサービスになることが理想です。
ご家族が「介護がお手上げだからデイサービスに行かせる」といった形だと、やっぱり利用者さんご本人もぐったりしていたり、ぼーっと外を見ているだけになってしまったり、そういう元気のない人たちが増えてしまう気がします。
利用するからには、その時間を意欲的に過ごしていただきたいので、その人その人に合った内容のサービスを提供して、楽しんでいただけるような環境を創出したいと思っています。
これから就職を考えている方に向けてメッセージをお願いします。
熊坂さんは、どんな職員さんに来ていただきたいですか?
健康的な人(笑)。
場数を踏んでいる方は力強いし、安心します。デイサービスでの職歴に限ったことではなく、社会経験というか、いろいろなことを経験されている方は同僚として頼りになります。
では、新卒の方や若者に対して、「この仕事の面白さは何ですか?」と質問されたら、あなたはどのように回答しますか?
介護の仕事は、毎日発見があり、勉強になり、とても楽しいです。
自分がしている仕事そのものが、というよりは、利用者さんから面白い話を傾聴することができたり、やはり皆さん人生の先輩なので、たとえ認知症の人であっても、例えば結婚する時どういう気持ちだったのかといった話を聴くとき、刺激や発見がたくさんあります。
若い人たちが全く知らないような世界や経験をたくさん教えていただけるので、それがとても楽しいです。
最後に、今後の目標というか、キャリアパスのようなものはありますか?
とにかく楽しく。
職員にとってももちろんですが、利用者さんが帰宅されるときに「楽しかった」「また来たい」と思ってもらえるようなデイサービスにできれば良いな、と思っています。
「楽しい」という言葉の解釈は人それぞれ違うと思うのですが、「楽しませたい」と「楽しみたい」のギャップのようなことに悩んだりしませんか?
私がリーダー業務をするときは、最後に必ず締めの挨拶で「元気に、笑顔で、また来てください」と言っています。
元気でなければ来られないし、しょぼくれた顔で来られても心配するし、ですので、元気に笑顔でもう一度来てください、という意味を込めて必ずそうお伝えしています。
認知症の方で、「ぐっどうぃるに来た」という記憶の想起が難しくても、なんとなく感覚的に「ここは、知っている、楽しいところだ」と覚えていただいているような、そんな安心感のある場所でありたいと思っています。